管理委託をしている管理会社から、管理組合に対して、「委託契約の満期に伴う契約更新は致しません」と通知するケースが増えているという記事を、最近の新聞、雑誌やネットニュースなどで、最近見かけるようになりました。

この傾向は、高経年のマンションで特に増えていると考えています。

 分譲マンションの中には、管理会社への不満や委託費用の高騰化から、管理会社の変更を行うことはよくあり、さらに、ケースによって自主管理に移行する分譲マンションはありましたが、このように管理会社から契約を解除するケースも出てきています。

 実際、首都圏のある市に所在する約500件の分譲マンションを調べたところ、築36年未満のマンションでは、管理会社に委託しているマンションの数は約84%でしたが、築36年以上のマンションでは55%という数字でした。

  高経年のマンションほど、自主管理の割合が大きいことがわかります。さらに、30戸未満のマンションについてみると、

築36年未満では、管理会社に管理委託していているマンションが62%であるのに対し、築36年以上のマンションでは管理委託は23%しかありませんでした。このことを言い換えると、高経年のマンションほど自主管理が増え、さらに小規模のマンションは大半が自主管理になっているということです。

管理会社が継続を止める理由は、様々で 「管理員、清掃員の確保」、「委託業務費用の問題」、「業務効率・利益率低下」「大規模修繕工事請負の旨みの低下」など管理会社の経営都合によるものの他、「マンション住民の管理会社への理不尽なトラブル・クレーム」など、マンション自体の問題によるものもあるようです。

対応の方法としては、 「新しい管理会社を見つける」「自主管理を中心に一部委託管理業者を見つける」「自主管理に切り替える」などいくつか選択肢がありますが、長期間にわたり特定の管理会社にお任せだった管理組合が、管理を切り替えるのは容易なことではありません。

ただし、急に契約更新解除の話が出るのではなく、やはり前からその兆候があるかと思いますので、

 特に、高経年のマンションの管理組合の方は、ご自身のマンションにそのようなリスクがあるか、兆候があるかを今一度 見直してみてはいかがでしょうか。