マンションの管理規約は、組合員・居住者等の全員がその内容を理解し守ってこそ、マンションの適切な維持管理が実現します。「令和5年度マンション総合調査」(国土交通省)では、管理規約がある管理組合は94.7%であり使用細則・協定等がある管理組合は88.5%と高い水準でした。そのような現状において、84.8%の区分所有者が管理規約を認識しているとのことでした。

管理組合のマンション管理・運営においては、時代の流れとともに、組合員・居住者等の「生活スタイルの変化」、「区分所有法の改正」、「ルール違反の増加」など、現行の管理規約を改定すべき事象が現存することとなります。

国土交通省では、令和6年6月7日、「マンション標準管理規約」の改正を公表しました。改正の背景として、「建物の高経年化と居住者の高齢化の「2つの老い」が進行し、これに伴って様々な課題が顕在化しつつあり、こうした状況に対応するため」とあります。

今回の改正内容は、組合員名簿・居住者名簿の作成・更新の仕組み、所在が判明しない区分所有者への対応が追加されました。また、マンションの管理情報の見える化の推進として、修繕積立金の変更予定等の見える化、管理に関する図書の保管の推進が挙げられます。その他、社会情勢やライフスタイルの変化に応じた対応として、EV用充電設備の設置の推進、宅配ボックスの設置に係る決議要件の明確化などのコメントが新設されました。

 どこの管理組合でも管理規約・使用細則は一度制定や改正をしたら終わりではなく、常にそれぞれのマンションの現状にあわせてアップデートしていくことが肝要と考えます。貴管理組合でも今回のマンション標準管理規約の改正を機に管理規約の改正を検討しては如何でしょうか。先ずは、専門家(マンション管理士等)に相談することを推奨します。きっとお役に立てると存じます。